お手軽お手頃水冷キット!APSALUS120!それなりの性能か? のスペック

プロセッサ
AMD Phenom™II X2 555 Black Edition (3.2GHz@4コア化3.6GHzOC)
CPUクーラー
Scythe APSALUS120
マザーボード
ASRock M3A UCC   BIOS
メモリ

2GB×2=4GB Dual Channel DDR2 10600 Memory
CFD ELIXIR W3U1333Q-2G

SSD
crucial 64GB Crucial RealSSD C300(CTFDDAC064MAG-1G1) (2.5-inch SATA 6GB/s)
OCZ Vertex Series SATA II 2.5"60GB(OCZSSD2-1VTX60G) (60GB,3Gb/s)
intel X25-M Mainstream (SSDSA2MH080G1C5) (80GB,3Gb/s)
ビデオカード
msi VN210-MD512 (nVidia GeForce® 210)
Super Multi DVD Writer
LITEON iHAS120-27
キーボード
恵安 KZP-LED512
マウス
Logicool® Wireless Trackball M570 
ファンコン
ZALMAN ZM-MFC1
ケース
Cooler Master Scout
OS
Windows 2000 Professional Service Pack 4
Windows 7 Professional
Windows XP Professional Service Pack 3


紹介文

 春酣(たけなわ)。寒いから暖かくなって、PCにとっては温度的に良くない時期到来。何の気なしにWin2Kサブマシンの背面排気ファンに手をかざすと・・・
熱気が排出されているじゃーありませんか!
よく考えてみると、不具合チップセットでお馴染みサンディーを導入するために簡易水冷CPUクーラーECOを外してakasa AK-967NEROに変更していたのだった。
akasa AK-967NERO自体悪くは無いが、如何せん空冷クーラーであるのだ。
ヒートシンクの排熱をファンでケース内にばら撒いているのだろう。ケース内は涼しいほうがPCには良いに決まっている。解決策や如何に。
ECOを戻そうかと考えたが、同じことをやるのも芸が無い。いっそのこと新規購入で行こう!と考えていた頃、某Zさんで3月のチラシに表題のScythe APSALUS120が安売り価格\5,480で出ていた。
良し!これにしようと即決!実質購入金額はポイントを使って、\4,700ほどの出費であった。

そもそもこのモデルは先発のScythe APSALUS90(ロープロファイル仕様で\7,980)の120oファン版で、何故か価格が下がって(\6,980)発売されたいわくつきのモデルなのだ。
製品特徴として「CPUコアとの接触面にアルミを採用しチューブに硬質ゴムを採用する事で大幅なコストダウンを実現。」とある。たったこれだけでここまで価格を下げれるものなんだなーとある意味関心を持っていたのだ。



同梱物は、その取り付け方法から結構たくさん入っており、取説も詳しく書かれたものが入っていた。
その詳しい内容とは、ファンの取り付け方法についてであり、吸気・排気・サンドイッチ等こうしてやるんだよ!みたいな。
ある程度の知識が有れば、そんなの見なくても大概分かる内容ですが・・・特筆すべきは、廉価ながらファンを締め付けるビスが長さ違い(短・中・長)で3種類も同梱されているのである。
パッと見価格相応のチープな所はあるが、決して手を抜いていないのだ。

ただ、ひとつだけ気になったのは、冷却水なのかシール剤なのかは判別つかないが、チューブ差込部に結構付着していたのだ。



この画像では分かり難いかもしれないが、黒く艶が出ている部分だ。これらはティッシュペーパーで拭き取ったが、その後出ている様子は無かった。

早速、組んでみることに。
この製品は前出の画像を見ていただければ分かると思うが、バックプレートが同梱されていて、コルセアの物とまったく同じに見える。
実際にコルセアの物を所有してないので断言はできないが、たぶん同じOEM先なのであろう。

APSALUS120付属のバックプレートはプラスチック製であり、指先で簡単に変形するくらい軟い。
バックプレートとマザーボードの間にスポンジ片(両面テープで固定するようになっているが、バックプレート側だけにテープ固定とした。)を2つ挟んで取り付けるのだが、水枕ポンプをビスで締め付けると、スポンジ片を基点にバックプレートが撓って、しっかりとテンションがかかってない様に感じた。
バックプレート等取り付け感を他メーカー品ECOと比較すると、バックプレートはAMD用の場合マザーボード付属の物を使う違いはあれど、軟なバックプレートだとマザーボードごと変形する位強力にテンションがかかっている。
なので、APSALUS120はちゃんとCPUに密着しているのだろうか?と思えた。



水枕ポンプの取り付け方向は画像の様にSCYTHEの文字を下にし、チューブ位置を下方向とした。ただ見た目で決めたので拘りは無い。実際には取り回しに関係してくるためベストな位置はそれぞれあるはずだ。



ファンはサンドイッチにし、吹付け側に同梱されていた物を使い例によってくり貫きファンを挟んで、吸出し側をScout(ケース)標準付属の背面ファンを使った。
ここで、メーカー側の細かい気配りなワッシャーがあったので使っておいた。





風量は違えど両方共、1,200〜1,300rpmクラスのファンなので、ある程度バランスは取れているかと。
さて、その結果は。

室温23℃〜24℃。

お馴染みSpeedfanとHardware Monitorによる計測であるが、Hardware MonitorのASRock M3A UCCのFansのCPUFANIN0の項目を見ると、1,259RPMが表示されている。これがサンドイッチ・ファンの回転数だ。
AUXFANIN0の項目はポンプの回転数だ。他メーカー品
ECOの違いがここにある。ECOポンプ回転数は約4,200RPMだった。ポンプの能力の差があるのだろうか?

さらに、
APSALUS120動作中の水枕ポンプを手で触ってみると、結構熱いのだ。体温よりも熱い感じだ。
他メーカー品
ECO場合は、水枕ポンプの厚みが50oあり、動作中まったく熱は感じない。
それに比べ
APSALUS120場合は、非常に薄型の水枕ポンプで公証値27.3oとなっており、CPUから熱が伝わり易い構造ではある。

以上の事を踏まえてTemperaturesの項目を見てみると、CPU温度は意外にも38℃を表示している。
APSALUS120廉価とは言え他メーカー同等以上の冷却性能は出ていると思われ結構頑張っている結果である。

ここまでは普通に取り付け、ほぼ標準状態?での結果であるが、これでは当たり前すぎて面白くない。(笑)
よってここからは、ポ的使い方でのレビューをする。

まずは、水枕ポンプが熱を帯びている。
そして、
APSALUS120本来の冷却能力はどのくらいなのか?

ここら辺に注目してみた。

水枕ポンプ自体を冷やしてやらないと、水枕ポンプがケース内の温度を上昇させることが考えられる。
この対策については、サイド・ファンを追加し、水枕ポンプに直接噴射する形でフレッシュ・エアをたくさん送り込んでやる。

その為には、ラジエター・ファンとサイド・ファンとの干渉を防がねばならない。
これは物理的に干渉するため、どちらかを小さくしなければならない。
幸いなことにケースはScoutであり、サイド・カバーに若干膨らみがついているので、ラジエター・ファンをワンサイズ小さくすれば、干渉を防げそうだ。ただし、ファン径を小さくすると言うことは、風量を犠牲にすることになる。
したがって、120oファンから90oクラスのファンにするわけだが、サイズ・ダウン分の風量を得るために出来るだけ高速なファンを選択しなければならない。静音は二の次にはなるが、ある程度仕方あるまい。


そこでチョイスしたのが、手持ちのintel 775用のTaisol SNE775PD-HFと言うCPUクーラー付属の92o高回転型ファンである。
Delta AFB0912VH(12v DC 0.6A 4pin PWM 4,200rpm 48dB〜20dB 77.53CFM)は、92oながらオーバー140WのCPUを冷やす冷却性能を誇ります。これをアップ・バーストして取り付けです。

長いことジサカーやってると、何故かこんな物も普通に持ってる。(笑)

まずは、このファンとAPSALUS120のみで(シングル・ファン)冷却能力を試してみる。

実際に動作させると、ケース背面からはラジエター全面から排気風が出ており、アップ・バースト変換が風の拡散を抑え、ラジエターに満遍なく風を当てている。

昼間の一番暑い時に、ファン回転数約2,000rpmでCPU温度は43℃を示した。
ファン回転数を4,200rpmに上げるとCPU温度は39℃まで落ちた。-4℃の効果となった。
前出のサンドイッチ標準状態でも38℃であったことから、このAPSALUS120の実力はこの辺が限界なのであろう。

吹付けファン回転数4,200rpm時、背面ファンは吹付けファンからの77.53CFMという大きな風量に負けてしまい、ビンビンと唸っていた。
やはりケース標準のファンでは力不足か!

そこで、背面ファンも高速型に変更することにした。
ここでチョイスしたのが、やはり手持ちのCPUクーラーTuniq Tower 120付属の120oファンである。
Tuniq DFS122512M(2,000rpm 32dB 64CFM)



こいつでサンドイッチすると、



そして、サイド・カバーにサイド・ファンを2基設置。

このサイド・ファンで水枕ポンプによるケース内温度上昇を阻止する。

さて、蓋を閉めて起動ボタンON!



ファンは全てZALMANな6チャンネル・ファンコン ZM-MFC1で制御している。ちなみに赤いLEDはトグル・スイッチ(12V or 5V or OFF)だ。

吹付け側ファン:2,000rpm時

標準状態に比べて、CPU温度38℃-->36℃と-2℃の効果が出た。

吹付け側ファン:4,000rpm時


吹付け側ファン回転数を倍にしてもCPU温度は1℃しか下がらんかった。
シングル・ファンでは-4℃の効果があったのにサンドイッチ・ファンでは-1℃と下がり幅が小さくなっていると言うことは、サンドイッチ効果が-3℃あるということだろう。


結果、

背面排気風に手をかざしてみると、排気風が熱くない!
やはり空冷と水冷の差は大きかった。
多少の騒音は犠牲にしても、今の時期CPU温度40℃を超えないのは大収穫だ。



・総括
  Scythe
APSALUS120は、今回の検証から、 冷却性能に関して価格相応どころか、それ以上の実力を持っている。通常価格で現段階最安なので、今年も暑くなるであろうから、今から導入しておく価値は十分にある。
また、CPUのプチ・オーバークロック程度であれば、十分な能力があるだろう。良い意味で予想を裏切られたお手軽お手頃水冷キットであると言える。


最終更新日 : 2011/04/07

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